青に焦がれて。
Blue.4
町中はクリスマス一色。

駅近くの公園には巨大なツリーとイルミネーションが施されている。



パン屋なのに、なぜかクリスマスケーキの販売が行われる。

グループ会社のケーキを売るんだとか。さすがチェーン店。

社員さんは可哀想に・・・。なんてったってノルマが。

バイトやパートさんは、出来るなら協力して欲しいと。



あたしの頭の中はクリスマスを通りこし、年末年始問題へイっちゃってる。

浩介の頭の中はクリスマスイブ一色。

「亜季ごめんね。」

目の前にチケットをヒラヒラさせながら浩介が謝った。

何についての謝罪と、それがこのチケットに何の関連があるのか。

物凄く申し訳なさそうなトーンなのに、オーラはウキウキ。

「24日のイブなんだけど、イベントライブする事になった。」

渡されたチケットを見ると、開催日には12月24日の日付。

「ごめんね。イブの日、2人で過ごせなくなって。」

ああ、そういう意味ね。

「ううん大丈夫。ライブ楽しんでおいで。」

いい女のふりでなく、イベント事に無頓着なあたし。

イベント事=カップルで過ごすという方程式に納得いかない派。

「そうじゃなくて、亜季もライブ来いよ。」

イブの日に浩介と一緒に過ごせなくても問題はない。

大勢の中に浩介が居なくても問題はない。

元々音楽自体にさほど興味がないから、ライブにも行った事がない。

そんな事が言いたいのじゃなく・・・。
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