青に焦がれて。
そんな事しておきながら本当は期待してた。浩介の鬼のような着信履歴とメールを。

だけど朝起きても連絡はなかった。メールでさえも。

つくづく、あたしって面倒な女だって実感する。

誰もあたしに話かけて来なかったり輪に入れなかったのは、自分でアウェー感漂わせてたから。自分から溶け込む気がなかったから。

そんな事しなくても浩介があたしの元に来るんだって、変なプライドがあったから。

浩介に思われてるんだ、って。愛されてるんだ、って実感したかった。

明日も朝からパン屋なんだって現実を捨てて、夢見心地でいたかった。

ステージの上に居る浩介は眩しすぎて、キラキラ輝いてて。遠い人の様に感じた。

あたしとは住む次元が違う人なんだって。

だから、どうしても浩介からの愛が欲しかった。あたしが浩介と同じ人間だという証が。

キラキラ輝いて、好きな事して楽しんでいる同じ人種だという。
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