青に焦がれて。
中学生の頃は楽しかった？

そう聞かれたら迷わず肯定する。

だって、楽しい事ばかりだったから。



あたしが通っていた中学はマンモス校。３つの小学校が集まった学校。

いつも川沿いを通っていたが、途中小さな橋がある。

橋を渡ると隣の学区の中学校がある。

毎日思っていた。隣の中学校に通った方が近いじゃん、って。

景色が鮮明に浮かぶ。


具体的にどんな所が楽しかった？

そう問われても、なんとなくとしか答えられない。

こういうのが楽しかったとか、これしてる時が楽しかったとか、曖昧な物でしかないから。



一時期、写真にハマっていた事がある。

一級品のカメラじゃなくて、コンビニで買えるインスタントカメラだけど。

昼休みだったり、放課後だったり、そこには楽しそうなあたしと友達。

鮮やかな情景は幾つかだけで、その写真とその時感じた楽しさだけを思い出す。

思い出は楽しくて曖昧な物だ。



あたしは迷うことなく、『行くよ。』とメールを送り返した。

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