【完】─片思い─

全部、『気まぐれ』だった。

友だちと話すのだって、『気まぐれ』だったんだ。


クラス替えがあり、あたしは仲の良かった子と離れた。

別に…悲しくなんかない。

話合わせて、笑ってただけだし。


「ぁ、稲実、さん?」

「ぇ」

話しかけてきたのは、知らない女の子2人。

「あたし、夏海ちゃんと仲良くてさ! 夏海ちゃんが、『稲見和ちゃん、すっごいいい子だから!』って言ってて!」

夏海ちゃん、ってのは、仲が良かった子だ。

正直、この時夏海ちゃんは嫌いになった。

『あたしの何を知ってるんだよ』

そんな事を思った。

< 128 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop