【完】─片思い─
「あたしね、和に感謝してるの! 和が話しかけてくれて、本当に嬉しかった。だから、
自分ばかり背負い込まないで!」
「…」
『もう少し、『家族』を頼れよ』
直樹の言葉が、頭を過る。
あたしは…今まで、何を見てきたんだろう。
何も、見ようとしなかった。
東のキモチだって…知ろうと思わなかったから…。
『家族』のことだって…何も、知ろうとしなかった。
最低だ、あたし。
…ちゃんと、見ないといけないんだ。