【完】─片思い─
第8章 すれ違う心
それから、あたしと直樹はいつも通りに過ごしていった。
変わったといえば、それぞれ分担を決めた。
あたしは料理、洗濯。
直樹は風呂場洗いと、食器洗い。
全部、2人で決めた。
母さんが残した10万は使わない事にした。
手紙に書いてあったように、決して良い事をして手に入れたお金じゃない。
あたしができるだけバイトして頑張ろう、って決めた。
直樹は、冬休みだけでいい、って言ってたけど…そんなわけにはいかない。
バイト先は、悠人先輩がいるところにした。
知り合いがいた方が、安心するから。