【完】─片思い─
昼休みになって、あたしは一組へと足を運んだ。
一組を見渡すと、流の姿はなかった。
「…な、中島くん!」
「…」
「…?」
中島くんは、悲しそうな目をしていた。
「流…だろ?」
「ぁ、うん…。どこにいるか、わかる?」
「…あのさ、和ちゃん」
「? なに?」
「正直に、応えて…」
「…」
「和ちゃんは…流のこと、好き?」
「…っ」
悲しそうな表情で聞く中島くんが、何を言いたいのかはすぐにわかった。
あたしは、小さく「うん」と呟いた。