【完】─片思い─

「…そっか。それなら、大丈夫だな」

「…ごめん」

「わかってるから。和ちゃんの「好き」は…違う「好き」だろ? わかってる、俺も…流も」

「…流、も?」

中島くんは小さく頷いた。

「あいつなら、屋上にいるぜ。…流を、頼むよ」

「…っうん」

あたしは必死に涙を堪え、屋上まで走った。

屋上のドアをそっと開けると,フェンスに寄りかかりながら、空を見ている流がいた。

その姿に、涙がでそうだった。

「…りゅ」

「わかってた」

流は、あたしの言葉を遮るように言った。


< 256 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop