【完】─片思い─
「…そっか。それなら、大丈夫だな」
「…ごめん」
「わかってるから。和ちゃんの「好き」は…違う「好き」だろ? わかってる、俺も…流も」
「…流、も?」
中島くんは小さく頷いた。
「あいつなら、屋上にいるぜ。…流を、頼むよ」
「…っうん」
あたしは必死に涙を堪え、屋上まで走った。
屋上のドアをそっと開けると,フェンスに寄りかかりながら、空を見ている流がいた。
その姿に、涙がでそうだった。
「…りゅ」
「わかってた」
流は、あたしの言葉を遮るように言った。