【完】─片思い─
第9章 君がいない世界
あたしは、あれから淡々と学校生活を過ごしていた。
流とは、ちゃんと別れた。
「…なぁ、和。東は、『いない』んだ」
そう、流が最後に言ったのを覚えている。
…わかってる、そんなの。
頭では、わかってるんだ…。
だけど、心が、それを受け付けないかのように…拒むんだ。
一日、一日が、バカバカしく思えてしまう。
あたしは…彼の存在が、支えだったんだ、って…心から思うんだ。
家に帰れば、今日、学校で何の授業があったかわからない。
なんにも…なんにも、考えられないんだ。