【完】─片思い─
『一生報われないよ』
いいんだ、報われなくても。
だって、これはあたしへの天罰なんでしょう…?
あたしは、幸せになっちゃいけない人間なんだ。
「…っ」
あたしは零れそうになった涙を必死に抑え、自宅へと向かった。
「おい、お姉ちゃん」
「…?」
あたしは声がした方を向いた。
そこには、70ぐらいのおじいさん。
この年でナンパ…? それはないよな。
あたしは頭の中がハテナマークでいっぱいになりながらも、「なんですか…?」と尋ねた。
「これ、あげるよ」
おじいさんがくれたのは、真っ赤なトマト。
あたしは、不思議で仕方なかった。