【完】─片思い─
「…和」
帰り道、下駄箱で流に呼び止められた。
「…こんなことしたら、また噂が出回っちゃうよ?」
「そんなこと気にしてねぇーから。…なぁ、東の墓、行かねぇの?」
「…あたしは、行っちゃいけない人間だから」
「!! んな決まりねぇよ!!」
「流、これは…あたしへの、天罰だよ…?」
「…っ!!」
あたしは、流の横を通って、学校を出た。
『天罰』──そう、自分に言い聞かせるように、
心の中で呟いた。
「…意味わかんねぇよ」
流が、そう呟いたのも知らずに。