【完】─片思い─
「甲子園が夢だし。彼女に合わせねーよ」
野球一途なのは可愛いんだけどさ。
「そっか。母さんは?」
「飯つくってどっか行った」
「はいはい」
あたしはご飯をレンジで温めた。
ウチの母親は、バイトの数がハンパない。
まぁ、ウチ等のためにやってくれてるから、ありがたいんだけど…。
だから、よくこうやってご飯だけつくってバイト行く事が多い。
父親は2年前に死んだ。
寂しくはないけど…少し悲しい。
あたしは、テレビを見ながら、夕飯を食べた。