【完】─片思い─
しばらく沈黙が続いて、学校に着くとりっちゃんが優しい声で言った。
「あたしは…和、好かれてると思うけどな」
「え?」
「…和、意外とさ、見られてるもんだよ?」
「…」
あたしはまだこの時、この言葉の意味がわからなかった…。
教室に入り、席に座ると、東がパンと手を合わせた。
「へっ?!」
「ごめん!!」
「ちょっあずま…?!」
「昨日、先に帰ってさ!!」
「ちょっ…。とりあえず、顔あげてよ…」
みんな見てて、恥ずかしい。