【完】─片思い─

昼休みの間、あたしはずっと2人を見ていた。

こんなにずっと見るのは、初めて。

いつも…見るのがつらくて、逃げてたから。

見てみると、意外と笑えた。

東がバカやってるだけだった。
それに紗季が笑ってる。

「ぷっ! バカ東」

東はベンチに立とうとしたら、服が木に引っかかってしまっていた。

その服を、紗季がそっと外している。

「バカ…」

誰に言っているのか、

自分でもわからなかった。

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