【完】─片思い─

東は、男子の輪に入って行った。

はぁ…期待した自分が、バカみたいだ。

あたしはため息をつきながら、ここから見える景色を、最後まで満喫していた。

「席移動しろ〜」

そう担任が言って、あたしは渋々席を移動した。

あたしは元々が窓側一番後だったから、移動はすぐに終わった。

りっちゃんは…ぁ、先生の真ん前。

机に伏せてるりっちゃんに、少し笑った。

けど、目に入ってきたのは、予想外のものだった。

「よっ」

「…」

東は、当たり前のように席に座る。

あたしはしばらくの間、惚けていた。

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