あなたの瞳
『ありがとな。』
そう言って笑った新は、昔のままだった。
優姫が大好きだった新のまま。
「卓斗……新の気持ちを考えると、優姫には黙っていた方がいいんじゃない?」
新の気持ちも、わかる。
好きだからこそ……相手を想うからこそ………。
「………優姫に、話そう。優姫は、選ばなきゃいけないんだ。」
帰りの新幹線で、卓斗は、そう決めた。
会うか、会わないか。
誰が好きなのか。
優姫にしか、わからない。