あなたの瞳



卓斗のこんな姿、初めてみた。
卓斗は優姫を欲してた。
どうしようもないほどに。






「泣けばいいじゃない。我慢しなくていいよ。弱くたっていいじゃない。卓斗は優しいよ。私が保証する。」






「……直。」

「今日は泣けばいいのよ。また明日から、卓斗は笑わなきゃいけないんだから。私が、一緒にいてあげるから。」






私がそう言うと、卓斗の瞳から涙が溢れた。


「かっこわりぃ……。」
「かっこいいよ、卓斗は。」

「………優姫が、幸せなら、いいよな。新の隣で笑っててくれるなら………。」

「新なら、優姫を大事にするよ。大丈夫だよ。」




ねぇ、優姫?
あなたは、沢山の人達に愛されてるね。


そんなあなたがみんなにしてあげられることは、笑顔でいることだよ?
わかってる………?



< 34 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop