あなたの瞳
「優姫………。」
卓斗がそう呟いた。
卓斗は、優姫にいち早く気付く。
優姫は、優姫じゃないみたいだった。
いつも笑顔の顔は今やきっと私達以上に真っ青……白い、と言った方がいい位だ。
ワンピースから覗く足は、新に助けられた時のものだろう。傷だらけだったし、少し引きずっているようだった。
呆然とした、瞳に力が入っていない、優姫。
いまだに、この状況を受け入れられないんだと思う。
新のお母さんが優姫に話しかける。
優姫は何度も謝っていた。
でも、優姫には何も責任がないことをみんな知っていた。