あなたの瞳
徹平君に腕を引かれて立ち上がる。



「君はあいつが、好きなんだ?」

「大好きだよ………。でも、卓斗は優姫しかみてないんだよ。もうずっと前から。もう、優しくされるのも、辛いんだ………。」

「君は…………ずっと向き合い続けて、疲れたんだろ?ちょっと、休め。距離を置くことだって、立派な勇気だ。」

徹平君はそう言った。
顔をあげてみると、先程の強い瞳が私を真直ぐみつめていて、けれどさっきよりもやわらかな光がその瞳に差し込んでいた。




この人も、優しい人なんだと。そう思った。
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