あなたの瞳










あれから。

「直…………新が、生きてた。」

卓斗が私にそう打ち明けた瞬間、涙が溢れた。

「新が………?ほんとに?あぁ………。」

「俺、会いに行ってくる。新に。まだ………優姫には知らせない。」

「なんで?優姫、喜ぶよ!ずっとずっと、気にしてたんだよ?心配してたんだよ?」

「まだ、わからないんだ。新に再会するのが優姫にとっていいことなのか。優姫は一度立ち直った。………徹平のおかげで。新はあの事故で……もう歩けない。なら、」




そうか。
優姫が、また傷ついたり、悩むことになる。

ずっと愛していた、新と、優姫を救った徹平君との間で。
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