●〇君と隣〇●
「だめ。」
突然熱い手が私の腕を掴んだ。
振り向くと、犬みたいにしょぼーんとしている聖がベッドに座りながら私の顔を覗き込んできた。
「聖、こんな熱あるんだから、今だけでも寝てないと。」
「……でも、折角しぃと遊園地に来たのに。もっとしぃと話したい。」
「話なら今でも出来るから、ね、とにかく寝て?」
渋々ベッドに転がる聖。
手を握ってて、と有無を言わさず私の手をしっかり握っていた。
「しぃ、今日は来てくれてありがとう。」
「うん。」