ONE
━━……


「…あいつの病室何号室なん?」

「あ゙!聞いてない…」

「ちゃんと聞いとけや〜」

「ナースステーション行ってくる〜」

「おぉ〜………」


その時僕は、彼女を見つけたんや…



切なそうな顔で空をみていた彼女に僕はなにも考えず近寄った…




『………』

す「……」



僕に…、気づいてへんの?


『〜〜〜♪』



す「!!」


突然歌いだした彼女…


透き通った歌声に一瞬で引き込まれてしまった……


『〜♪〜ッ…ゴホッゴホッ…』


「加奈チャン!!また、歌ってたの!?ダメでしょ!」



何かの病気なんやろうか……?


『歌くらい…歌わせてよ!………もうすぐ…歌えなくなるんだから…』

「…加奈チャン……とにかく…病室にもどろ……ねっ?」



看護婦さんに連れられて病室に戻る彼女……



「あのっ…」

「はい?」

「さっきの子…」

「加奈チャンのことですか?」

「はい…、歌えなくなるって……。」

「……ごめんなさいね。患者さんの事はご家族以外には答えちゃいけないの。」

「…そうですか」
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