ONE


拓海…



歌ってよ…


じゃないと…


さよならできないよ…



もう、わかってる。




時間がないこと…



私の最後の願いは…








加奈の様子がおかしい…。


先輩の全国ツアーが始まりそれに僕も同行することになった…



そして、ソロを歌わせてもらえることになった…




加奈に聞いてほしい…


僕が加奈の為だけに歌ってる姿を…


「加奈〜。」

『……zzz』

「寝てんのか…。ごめんな遅くなって…」




カサッ…



「……コレ!?」





それは、今までの加奈の想いが詰まったノートだった……


(歌が歌いたいよ…)



(苦しい…)


(タクミ…大好きだよ…。)

(タクミの歌を最後に聞きたい…)


最後…?



(神様…、私にタクミとさよならする勇気をください。)
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