【BL】最終回送まで…
傘
真也と共にバス登校した日から約一ヶ月過ぎた。
僕は変わらず、毎朝花枝さんが運転をするバスに乗って登校している。
一ヶ月前の快晴だったあの日が懐かしい程にここ最近、天気がぐずついている。
結局あの日は花枝さんの背中さえも見れず、さらには、下車する時にいつも決まって笑顔で挨拶をくれるのに……
『…、行ってらっしゃい』
一瞬、真也を見て苦い笑顔をしていた。
あれから花枝さんは僕の大好きな笑顔をくれなくなった。
真也は少し目付きも悪いし体も大きい。花枝さんにとって印象が悪かったのかもしれない。
「はぁ…」
雨は夜から降り続いていた。
僕は溜め息をつき、
ライトグリーンと水色のボーダーを少し恥ずかしく思いながら、傘をさしてバス停に向かった。