【BL】最終回送まで…
僕は黙ってその時間を享受した。
黙ってその背中だけを見つめた。
そう、僕が恋をしたのは
この時間のこのバスを運転する運転手、『花枝 玲』さん。
バスにもタクシーみたいに名前が書かれたプレートがあった。
バスの方針に感謝。
溜め息が止まらない。
切なくって嬉しい。
サイドミラー越しに見える花枝さんの美貌が格好良い。
制服指定の帽子を被り、その下から少し覗く黒髪が切れ長な黒い瞳と同じ色をしていて、それも素敵。
鼻が高くて、薄い唇。
手袋をしていても解る、長くしなやかな指。
握手してみたいな。なんて変態みたいだ。
でも、一度でも良いから触れてみたい。欲を言えば、触れて欲しい…。