【BL】最終回送まで…
何故男の人に恋をしてしまったんだろう。
それは言うまでもなく要因があった。
あれは、僕が高校に入学して初めての夏を迎えたあの朝だった…―――――――――
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まだ新しい半袖のワイシャツは白が光っていた。
朝の早い時間にも関わらず、蝉の声が煩くて、熔けそうなぐらいに暑い日だった。
せっかくまだ暑さのマシな時間に出たはずなのに、僕はバス停に着く頃には汗だくになっていた。
逃げるようにクーラーの効いたバスに乗り込んだ。
「あっついぃ…」
思わず零れた言葉に落ち着いた笑い声が付け足された。
笑い声の方向に顔を反射的に向けた僕は、この世のモノでないモノを見た。
「お疲れ様。大丈夫ですか?」
蝉の声は聞こえなくなっていた。時が止まったみたいな感覚に陥った。
僕は瞬きも出来ず、立ち尽くしてしまった。
「……?」
「あ、…だゃ、大丈夫です!!!」
手放した意識を引き戻し、慌てて空いている席に座った。
クーラー…効いてるよね?
そんな事さえ解らないくらいに体の体温は上昇していた。