【BL】最終回送まで…
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あれから僕は、早い時間に起きてこのバスに乗るようにした。
寝坊をして乗れなかった日はあれから一度もない。
ずっと花枝さんの背中だけを見てきた。
「行ってらっしゃい」
そして今日も、僕を苦しくさせる笑顔をくれる。
僕は勿論……
「…行ってきます…!!」
なんて、言える筈もなく
心の中で返す。
――バスになれたらいいのに。
いや、運転席がいいな。あーでもサイドミラーでも……
「…って、何考えちゃってるんだよー!!!!!!」
朝から校門前で騒ぐ生徒一人。
羞恥のあまり、猛ダッシュで校舎へ消えていった。
僕の恋愛は少し忙しくて、法に触れるようなものだった。
だから、
これ以上の事は望まないから、あの笑顔だけは下さい。
どうかこれ以上僕に素敵な花枝さんを与えないで下さい。
でないと、このままでいるのが辛くなってしまうから…―――――。