アイドルになりました。

唯乃は、両親から貰ったお金を握り締め、オーディション会場へ向かった。
何故なら、書類審査で合格したからだ。
今日は歌唱審査だった。
歌唱審査だけではなく、少しプロデューサーと対談もする。
とても緊張をしていた。
会場には大勢の人がいた。

長い時間待って、ようやく唯乃の番が来た。
まずは対談からだ。

「初めまして。」

神崎さんだ。
初めて喋った。
声が暖かかった。

「あっ、初めまして!
 エントリーナンバー10078番の
 木本 唯乃です!
 今日をとても楽しみにしていました!」

緊張しながらも、ちゃんと喋れた。

「…。緊張してる?
 リラックス、リラックス!
 歌が上手く歌えないよ?
 じゃあ、好きなものについて
 語ってみて。」

好きな物…。
好きな食べ物…。
納豆!

「はい!えっと、納豆が大好きです!
 納豆を作った人を
 とてつもなく尊敬しています!
 毎年、7月10日の納豆の日には
 納豆を10パックくらいは
 食べます!」

ふぅ…。

「ははは、豊かな子だねぇ。
 じゃあ納豆を作った人と
 この私!どっちを尊敬している?」

「納豆を作った人です!!」

あぁ!やばい!!
ちょっと時間おけばよかった~。

「ははははは!
 おもしろいねぇ。
 じゃあ歌どうぞ。」

はぁ、よかったぁ!
おちたかと思ってた。

「はい!納豆の歌を歌います!」

この納豆の歌は
高音も低音もあって、大変だけど
面白い歌だった。

こうして、歌唱審査が終わった。
次は三次審査合格者発表までだった。

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