おんりー☆らう゛
聖の様子を見て、美奈と裕毅が顔を見合わせる。
「じゃあ…なんで奈々にあんなひどいこと言ったの?」
美奈が言った後、しばらく黙ってから、聖は口を開く。
「…あいつ…いつも自分が傷ついても嘘ばっかついてちゃんと話してくれなくて…さっきだって殴られて、傷つけられたってのに嘘ついて…。慚をかばってるんじゃねーかって…それに奈々の首筋のキスマークみたら…ほんとに慚とヤったのかなって…」
「…それ本気で思ったのか?奈々がそんなことする奴だと思ったのか?」
裕毅が、さっきより穏やかな声で聞く。
「…奈々のことは信じてた…。でも…いつも嘘ばっかつくし…ヤってねぇってのも嘘なのかもって思ったら…カッとなっちまって…」
それを聞いて、裕毅はため息を吐きながら、腰に手を当てる。
「カッとなって言っていい言葉じゃねぇってことは…わかってるか?」
「…あぁ。今お前らの話聞いて…その奈々の嘘つく理由もわかったし…冷静になってみたら、すげぇひどいこと言ったなぁって…」
「…そんなもんじゃねぇだろーが……」
一度下を向いて、ゆっくり顔をあげながら聖を睨む。
そして裕毅が聖に思いっきり怒鳴る。
「さっきのお前の一言で奈々がどんなけ傷ついたかわかってんのか!!!」
「………」
「…裕毅。」
美奈が裕毅を抑えた。
「聖だって…もうわかってくれたよ…きっと。それ以上責めたら…聖も可哀想だよ…」
「……ちっ…。」
裕毅はもう一度聖を見て、背を向ける。
「一晩じっくり考えろ。お前の言った言葉の重さと…奈々の気持ちと…今までのお前の奈々への思いやりがどれだけあったかを…」
そう言って裕毅は自分の部屋に戻った。
美奈も裕毅の後について戻る。
聖はゆっくり自分の部屋に戻って、ベットに座った。
「俺の…言った言葉の重さと…奈々の気持ちと…今までの俺から奈々への思いやり…」