おんりー☆らう゛




「奈々?今どこにいるの?」

「駅・・・。」

「駅?!」

「駅って…帰んの?」




奈々の声は、傍にいる裕毅にも聞こえていた。





「ごめんね。せっかくの旅行なのに…」

「それは大丈夫だよ?…ちゃんと1人で帰れる?今から行こっか?」

「ううん。大丈夫、帰れるよ。ありがとぉ。」



「…どの家に帰るの?」

「…自分の家。聖の家には…帰れないよっ…」






電話越しに、奈々が泣き出す。




「聖に…別れよって…そんなの…あ゛たしっ」

「大丈夫だよ奈々!!!聖もきっと本気じゃないよ!」

「聖は…冗談であんなこと言わないよぉ…嘘ばっかつくあたしが…嫌になっちゃったんだよッッ」



「んなことねぇって!!!」





黙っていられなくなった裕毅が美奈の携帯を借りて言う。




「裕毅?…だって…あたし、聖に嘘ついてたから…聖に嫌われちゃったんでしょ?」

「お前があいつに嘘ついていたのは…あいつのことを思ってだろ?!」

「・・・・・・・・・」

「お前、いつも言うけど1人で頑張りすぎだって。」

「きっと聖だって…寂しかったんだよ」





美奈も裕毅の傍から、奈々に言う。




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