おんりー☆らう゛
「うっ…ごめ…なさいっ…」
「いや、お前が謝ることじゃねぇよ」
「…ひっく…」
「奈々…泣かないで?」
奈々がぐいっと涙を拭き、鼻をすする。
「あたし達も明日帰るよ。」
その言葉にハッとして、電話を持ち直す奈々。
「えっ…ごめん…あたしのせいだよね」
ほんとは3泊するつもりだったのに…
そこで、美奈と裕毅が声を張り上げる。
「奈々のせいじゃない!!!」
「なんでも自分のせいにすんな!!!」
「うぅっ…ごめんなさい…」
「じゃあ、ちゃんと家に着いたら連絡してね?メールでもいいから…」
優しい声で美奈が奈々に言うと、奈々は少し黙ってから、小さな声を出した。
「うん……ねぇ…聖、怒ってる?」
「…怒ってないと思うよ」
「あいつもきっと、反省してるさ。お前を傷つけたこと」
「……聖を…責めちゃ駄目だよ?」
奈々の言葉を聞いて、美奈と裕毅が顔を見合わせる。
「奈々…」
「あたしだって悪いんだもん…。ちゃんとごめんねって…言いたいなぁ。でも…あたしにはもう会ってくれないもんね」
「んなことねぇって…」
「…いいの」
寂しそうな声が、電話越しに聞こえる。
美奈と裕毅は、言葉が見つからなかった。
奈々 「ありがと。裕毅…美奈。おやすみ…」
「―――っ奈々!?」
「ちょっと待―――」
ツー・・・ツー・・・
「…切れちゃった」
「……」
「…ねぇ、奈々はまだ聖のこと…」
「…ああ。」