おんりー☆らう゛
――――――――――数時間後
「あ…メール…」
美奈の携帯に、メールが届いた。
奈々からだ。
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From 奈々
題名:無題
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今、家に着きました
家にはお父さんが帰ってたよ
また飲んで帰ってきたみたいで・・・
でも大丈夫だからね。
おやすみなさい。
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メールを読んで、美奈が不安そうな顔で裕毅を見た。
「お父さん帰ってるって…また飲んでるって…」
「親父さんが!?暴力は…」
「大丈夫だからって書いてあるけど…」
「大丈夫じゃねぇんだろうな」
「…かもね」
「ったく…あいつは…」
裕毅がガシガシと頭をかく。
裕毅が呆れたように思えたのか、美奈が裕毅の肩に慌てて手を乗せる。
「でも奈々は…優しいだけだよ??」
「あぁ、わかってるよ。でもこのまんまだと…マジで潰れちまうぜ?」
「…そうだよね」
2人はその夜、あまり眠れなかった。
隣の部屋では、同じように聖が眠れないでいた。
「奈々…今どこにいんのかな…」
呆然としながら、聖は携帯を手に取った。
メールも着信もない・・・
「・・・・・・・・・」
聖は、手が震えて自ら連絡することはできなかった。
聖は携帯を前に、ずっと座って、くるはずもない連絡を待っていた。