おんりー☆らう゛



男は、驚いて奈々を見た。

彼だけじゃない。


先生も生徒もみんな、奈々を凝視した。




「こいつだってこのクラスの一員ですよ?!なんで連れてきてはいけないんですか?!」

「こいつって…」




こいつと言われて、ちょっと顔をしかめる男。


男が奈々に文句を言おうとしたのを遮って、先生がため息をつきながら、奈々をなだめるように言う。




「そんな奴、喧嘩のことしか頭にないんだ。授業にいても邪魔なだけだ。そもそもなんでこの学校に入ってくるんだよ…」




先生の言葉に、奈々は力が抜けた。

呆然と、先生を見つめる。



…邪魔?
今、邪魔って言った?

それに…なんでこの学校にって…





「なんですかそれ…」


「…離せよ」




男はそう呟いて、力が緩くなった奈々の手を振り払い、教室から離れていく。




「あっ!待って!!!」


「奈々?!」

「浦安!!!」




それを追おうとした奈々に真美と先生が声をかけたが、奈々は戻らなかった。




何この学校!!!

先生ひどいよ…生徒にあんなこというなんて…!


いくら悪い奴だからって…




奈々は男を追いかけた――

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