おんりー☆らう゛




「お前、奈々の親のこと知ってっか?」

「…大体聞いた。離婚…だろ?」

「あぁ。今は親父さんの家に2人で住んでる」

「あぁ、知ってるよ」



「親父さんがいつも家にいない理由は?」

「…ちょっと知ってる。遊んでんだろ?」

「あぁ。それだけか?」

「…それだけって?」

「そりゃ、奈々は言わないよね…」



美奈が少し下を向く。

聖は裕毅と美奈を交互に見た。





「…なんだよ」




裕毅は少し迷ったあと、話を続けた。




「奈々の親父さん、悪い言い方だけど…女と遊びまくって毎日飲みまくって…たまに帰ってきては奈々に暴力すんだ」

「…は!?…マジかよ」


「…うん。奈々からは話してくれなかったんだけど…遊びに行ったときに、見ちゃったんだよね…その光景。」

「ヤバかったよ…。本気で自分の子供に暴力すんだ。そん時は俺らで止めたけど…」




裕毅と美奈の表情を見る限り、相当ひどかったようだ。

聖は胸騒ぎが起こる。




「それから、お父さんはずっと家に帰ってなかったみたいで、奈々は聖の家に行ったでしょ?だから安心だったんだけど…」

「今…親父さん、帰ってきてるらしい」



聖が立ち上がった。



「―――なんだと!?奈々は大丈夫なのか!?」

「昨日、メールでは大丈夫って書いてあったんだけど…もしやられてたとしても、奈々は言わないから…」

「んな…んなバカなことあっかよ!!!」







奈々が…暴力されてる??

助けねぇと!!!

でも…俺は…奈々に会いにいってもいいのか??





――――――――――――――


しばらくして駅に着き、聖は仁と美奈と別れた。



奈々が今…俺の家にいてくれねぇかな…





そんな叶わぬ想いを抱きながら…そして…不安感を抱きながら・・・

聖は自分の家へ向かった。



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