おんりー☆らう゛
奈々に聞こえたその声は…まさしく聖の声だった―――
でも…聖が…ここに来るはずなんてない
…だってあたしたち……
「―――奈々に会いたいんです!!!」
でも…この声は聖だ…間違えるはず…ない…!!!
奈々は重い体を起こして窓へ向かった。
そしてカーテンを開けて、窓を開けた。
下には―――――玄関には、父の前で土下座して頭を下げている聖…その聖を殴ったりしている父の姿が…奈々の目にはっきりと見えた。
「―――――こーき!!!」
奈々が思わず叫んだ。
「!!!!!」
聖がはっとして顔を上げる。
「―――奈々…」
「お父さん!なにしてんの!?やめて!!!」
「あぁー?」
「その人は…あたしの大切な人なの!!」
「―――――奈々…」
「お前…本気でこんな男と付き合ってんのかー?」
「本気よ!!聖に手出さないで!!!」
奈々が顔を引っ込めて、玄関へと走った。
傷ついた体中が痛み、何度もよろめいたが…奈々は走った。
―――――バンッ!!!
奈々が家の中から出てきた。
「―――――聖ッ…」
「―――奈々っ」
奈々が聖の元へ走って抱きついた。
「こおき…」
聖も奈々を抱きしめ返す。
「奈々っ…ごめんな…俺ッ…」
「てめぇら…」
奈々の父がイライラと2人を見下ろす。
聖は奈々をかばうように抱きしめながら言った。