おんりー☆らう゛






「俺は…遊びなんかじゃありません。本気で…奈々が好きなんです」

「―――聖…」


「なン…にをぬかすかこの小僧っ…!!!」





父がまた殴りかかろうとする。




「やめてお父さん!!!」




奈々が聖の前に出た。




「奈々っ!!!」




聖が奈々を引き寄せる。

酔っ払っていてふらふらだった奈々の父は、勢い余って倒れ込んだ。




「いってぇ…」




今の衝撃で、少し酔いが覚めた父だった。




「…奈々!行くぞ!!!」




聖は奈々に呼びかけた。




「うん…」




聖は、奈々のボロボロで傷だらけの姿を見て目を見開いた。




「―――――ッ…」




聖は奈々を抱きかかえてその場から走った。




「ま…待てぇ…」

「また…ちゃんとした格好で…挨拶に来ます。」




聖は背を向けたまま、奈々の父に言った。




「奈々っ…行くな…」

「お父さん…あたしも聖が好きなの。離れたくない…ずっと一緒にいたい…」

「……許さねぇぞ…奈々…」

「………じゃあ…奈々さんはお預かりします。」


「なにを…」




聖は奈々を抱えたまま走った。





「…ちくしょぅ……池谷…聖か…」


< 118 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop