おんりー☆らう゛
「俺は…遊びなんかじゃありません。本気で…奈々が好きなんです」
「―――聖…」
「なン…にをぬかすかこの小僧っ…!!!」
父がまた殴りかかろうとする。
「やめてお父さん!!!」
奈々が聖の前に出た。
「奈々っ!!!」
聖が奈々を引き寄せる。
酔っ払っていてふらふらだった奈々の父は、勢い余って倒れ込んだ。
「いってぇ…」
今の衝撃で、少し酔いが覚めた父だった。
「…奈々!行くぞ!!!」
聖は奈々に呼びかけた。
「うん…」
聖は、奈々のボロボロで傷だらけの姿を見て目を見開いた。
「―――――ッ…」
聖は奈々を抱きかかえてその場から走った。
「ま…待てぇ…」
「また…ちゃんとした格好で…挨拶に来ます。」
聖は背を向けたまま、奈々の父に言った。
「奈々っ…行くな…」
「お父さん…あたしも聖が好きなの。離れたくない…ずっと一緒にいたい…」
「……許さねぇぞ…奈々…」
「………じゃあ…奈々さんはお預かりします。」
「なにを…」
聖は奈々を抱えたまま走った。
「…ちくしょぅ……池谷…聖か…」