おんりー☆らう゛
聖は、走っていれば奈々の傷にも衝撃を受けると思い、タクシーを捕まえた。
奈々は…聖にすがり付いてずっと泣いているばかりだった。
聖も…泣きそうだったが…今は堪えた。
今…自分の目の前に…奈々がいる…。
血だらけで…アザだらけで…傷だらけの奈々が…。
自分があの時、あんなこと言わなければ、奈々の心も傷つかなかったし、奈々も家に帰ることなく、こんな傷も負わなくてすんだ…。
全部…自分のせいだ…。
聖はずっとそう思っていた―――――
―――――――――――聖の家
タクシーから降りて、まだよろめく奈々を抱えて部屋へと行った。
―――ガチャ。
急いで出たので、鍵は開けっぱなし。
聖は奈々をソファーに座らせて、まず奈々の傷の手当てをした。
手当てをしているうちに…奈々の目から涙が零れ落ちた。
「―――ごめん…痛かったか?」
「―――ひっく…違うの…。」
「…?」
「聖…来てくれて…ありがとう…。」
「――――――」
聖は奈々を力いっぱい抱きしめた。
「奈々…ごめんな…。俺…奈々にあんなこと言って…っっ」
聖の目にも涙が溢れる。
「マジでありえねぇ…自分が許せねぇッ…」
「聖…大丈夫だよ…」
「俺…奈々をいっぱい傷つけた…ほんとに…ごめんッッ…」
「聖…」
「俺…あんなこと言ってて…こんなん言うのマジでおかしいんだけど…」
聖は奈々から離れて、奈々と顔を合わせていった。
「俺…奈々が好きだ…」
「――――――ッッ…」
「さっき…お前の親父さんに言ってたことは嘘じゃねぇ。マジで…愛してんだ」
「―――――聖ッ…」