おんりー☆らう゛
―――祭り当日。
ブロロロロ―――――キキッ
バイクの後ろから奈々が降りて、ヘルメットを聖に渡し、お礼を言って、タタッ…と玄関へ走る。
―――ピンポーン。
「美ー奈ー♪」
「はーぃ」
そう。ここは裕毅の家。
裕毅の両親は海外に住んでいるため、誰もいない一軒家に、美奈と一緒に住んでいる。
美奈がドアを開けると、後ろから裕毅も出てきて、奈々に挨拶したあと、聖が待っている道路へと向かう。
「よっ!聖!頼んだぜっ」
「おう」
聖が裕毅にヘルメットを渡し、裕毅が聖のバイクの後ろに跨がる。
「じゃー後でな」
「また来っから連絡しろよ?」
聖と裕毅が、奈々と美奈に声をかけ、2人は笑顔で手を振ってバイクを見送る。
そして、バイクが去ったあと、2人で顔を見合わせる。
「さ。着よっか、浴衣♪」
「うんッ♪」
2人は、彼氏たちに内緒で浴衣を着ていくサプライズを計画していたのだ。
浴衣は、午前中のうちに、こっそり美奈が買いに行ってくれていたため、もう家にある。
「こっからなら、祭りんとこまで近いし歩いて行けるし、ちょーどいいね♪」
「うんw聖達、びっくりするかなぁ?w」
「するだろーねぇ(笑)」
びっくりする2人を思い浮かべて、2人でクスクス笑う。
さっそく家に入って、浴衣の着付けを始めた。
そのころ、聖と裕毅は。