おんりー☆らう゛


―――祭り当日。



ブロロロロ―――――キキッ




バイクの後ろから奈々が降りて、ヘルメットを聖に渡し、お礼を言って、タタッ…と玄関へ走る。



―――ピンポーン。





「美ー奈ー♪」

「はーぃ」





そう。ここは裕毅の家。

裕毅の両親は海外に住んでいるため、誰もいない一軒家に、美奈と一緒に住んでいる。



美奈がドアを開けると、後ろから裕毅も出てきて、奈々に挨拶したあと、聖が待っている道路へと向かう。






「よっ!聖!頼んだぜっ」

「おう」




聖が裕毅にヘルメットを渡し、裕毅が聖のバイクの後ろに跨がる。





「じゃー後でな」

「また来っから連絡しろよ?」





聖と裕毅が、奈々と美奈に声をかけ、2人は笑顔で手を振ってバイクを見送る。


そして、バイクが去ったあと、2人で顔を見合わせる。





「さ。着よっか、浴衣♪」

「うんッ♪」





2人は、彼氏たちに内緒で浴衣を着ていくサプライズを計画していたのだ。


浴衣は、午前中のうちに、こっそり美奈が買いに行ってくれていたため、もう家にある。





「こっからなら、祭りんとこまで近いし歩いて行けるし、ちょーどいいね♪」

「うんw聖達、びっくりするかなぁ?w」

「するだろーねぇ(笑)」





びっくりする2人を思い浮かべて、2人でクスクス笑う。


さっそく家に入って、浴衣の着付けを始めた。





そのころ、聖と裕毅は。

< 150 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop