おんりー☆らう゛
美奈と裕毅とは、別行動として別れてから、奈々と聖は屋台の間を歩いている。
「人いっぱいだねぇ〜」
「はぐれんなよ?」
そう言って、ぎゅっと絡ませた指を強く握り直してくれる聖。
奈々は嬉しくて、聖の腕にぴったりくっついた。
「お、金魚すくい」
聖が見ている先には、お祭り定番の金魚すくいがやっていた。
「ほんとだぁー!聖やってみてよw」
「おっしゃぁ!見てろよ?俺の金魚さばきッ」
そう言って、おじさんからポイを受け取って、水槽をじっ…と見つめる聖。
聖、真剣だ…
サングラスかけてるから、うっすらとしか目は見えないけど、真剣な顔も…かっこいいな
…って!!
あたし、また聖に見とれてたっ//
恥ず…恥ずかしっ//
「よッ…」
1人でそんなことを思って、恥ずかしさで頭を抱えていると、聖の声がしてハッと前を見る。
すると、聖はもう自分の持っている器に、金魚を6匹もすくっていた。
「すご〜ぃ聖!!」
「ったりめぇよ〜」
聖は得意気になって、このあとも3匹ほどすくっていた。
結局、奈々は2匹だけもらって、今、屋台の光にかざしてその2匹の金魚を眺めている。
「可愛い〜金魚w」
「なんで2匹にしたんだ?もっといっぱいいたのに」
「だって、2人っきりの方がいいでしょ?」
そう言って、2匹が泳いでいる袋を、ツンッとつつく奈々。
それを聞いて、聖はふっ…と頬を緩める。
「♂♀もわかんねぇのに?」
「あッ…」
「ははッ(笑)お前らしいなぁ」
聖が奈々の頭をポンッと叩く。
こーゆーこいつも、すっげー可愛いんだよなあ