おんりー☆らう゛




「バカバカバーカ!聖のバァーカ!!!」





立ち止まって、急に叫び出す奈々。

さっきはスラッと流したさすがに聖も、さすがに立ち止まる。





「俺はバカじゃねぇッ(笑)」





それでもまだ、笑って冗談にしかとらえていないような聖の態度を見て、奈々はカッとなった。





「バカじゃんかぁー!」





そう吐き捨てて、奈々は人混みを掻き分けて走っていく。





「――――ッおい!奈々!!!」




さすがに聖もびっくりして、とっさに奈々に向けて手を伸ばしたが間に合わず…


奈々は人ごみの中に消えてった。





「あいつ…はぐれてどーすんだよ…!!!」





こんな人混みん中…探すの大変だぞっ?

はぐれんなっつったのに…



聖は奈々の携帯に電話をかけるが、応答はない。





「…聞こえるはずねぇーよなぁ…」




こんなうっせーとこだもんなあ…


パコッ…


聖は携帯を閉じて、遠くに向かって叫んでみる。





「奈―――々ぁー!!!」




ザワザワザワ…


でも、聞こえてくるのは活気溢れた屋台通りを歩く人々の楽しそうな声だけ。





「あ゛―――どこだぁっ…」





聖は片手でガーッと頭をかきながら、いなくなった奈々を探しに歩き出した。




―――奈々はというと、しばらく歩いたところで、イライラしていた興奮も冷め、ピタッと足を止める。





「………あれッ…?聖?」




振り向くが、奈々の後ろに聖の姿はない。



やば……はぐれちゃった…




奈々は背伸びをして人ごみの中の聖の姿を探す。





「こ――――きぃー!!!」
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