おんりー☆らう゛
「バカー!!!」
まだ抵抗を続ける奈々をよそめに、思い出したように辺りを見渡す男たち。
「あれ?そーいえばここにいた男は?」
「さぁー?逃げたんじゃね?」
「弱ぇ彼氏だなぁーおい(笑)」
そう言って笑う男たちを、キッと睨む奈々。
はあ!!?
好き勝手言わないでよっ!
なんであいつが彼氏なのよ!!
「あんな奴彼氏じゃないもん!!!あたしの彼氏はもっとかっこいいのーッ!!!」
「へぇー…いっぺん見てみてぇなぁ…(笑)」
「その彼氏はどこにいんのー?」
「………」
奈々は、何も言えない。
だって、自分からはぐれてきてしまったし、聖がどこにいるのかなんてわからない。
探しに行くにも、こいつらが大人しくついてくるはずがない。
「はぐれたんだー」
「俺らが一緒に探してあげるってぇw」
「お腹も空いたんだろ?大人しくついてこいよ。」
「もぉー!!!うっとしぃなぁ!どっか行ってよぉ!!!」
うんざりしたように声をあげる。
…が、さっきのように、会話の返しがない。
奈々が顔を上げると、男たちの顔からは笑顔が消えていた。
「うっとしい…?」
「あんま怒らせんなよー…?」
「来いっつってんだろ…」
さっきよりも強い力で引っ張られる。
…痛いっ!!
それに、このままじゃやばい!!
「離して!バカッ!!!」
「ッッッ…こいつッ!!!」
我慢の限界に、男が奈々に手をあげようとした瞬間―――
「奈々―――!!!どこだぁー!!!」
一際大きな声が、近くから聞こえた。
この声はっ…!!