おんりー☆らう゛
「!!!聖ッ!」
「ほぉー…彼氏とやらか(笑)」
「さっきの奴みてぇなひょろ男なんじゃねーの?」
「はははッ(笑)それならぶっ潰してやろーぜ!」
男たちが好き勝手に聖をバカにして、腕を回したりしている。
奈々は、大きな声で名前を呼んだ。
「聖―――!!!」
すると、暗闇の方から走ってくる音が聞こえ、奈々の傍の街灯の光に、その姿が映し出された。
「―――奈々!やっと見つけた…」
息を切らしながら走ってきた聖の姿を見て男たちは…
いッかッつッ…!!!(厳つい)
金髪にサングラスにB系の服装の長身男を見て、予想外の人物に思わずたじろぐ。
「やべぇなぁ…」
「予想外だぜ…」
奈々の姿を見て安心した聖だったが、奈々の手を掴んでいるものを見て、グリッとそちらへ顔を回し、その男に近寄る。
「…てめーらは奈々の手ぇ掴んでなにやってんだコラ…」
「やッッッ…えッッ…と…」
「にッ…逃げんぞッ!!!」
「あぁ?待てやコラ…」
聖がサングラスを外す。
その素顔を見て、1人が悲鳴のような声をあげる。
「いッ…池谷だッ!!!」
「うぇッ?!マジ?!」
「余計やべぇッて!!!行くぞッ!!!」
ダッ―――――
男たちは、相手が聖とわかった瞬間、奈々の手をパッと離し、血相を変えて逃げ出した。
「…ちッ」
「聖っ!!!」
奈々が聖の正面に立って、聖の服を掴んで、聖を睨みあげる。
「どこ行ってたのよ!バカぁ…」
「俺はどこも行ってねぇ!!お前がどっか行ったんだろ?!」
「!!……そっか…」
そーだった、とばかりに反省して下を向く奈々。
聖は、小さく息をついて、ふっと笑う。
「…バーカ」
そう言って、聖が奈々の頭を自分の胸に抱き寄せた。