おんりー☆らう゛



「!!!聖ッ!」

「ほぉー…彼氏とやらか(笑)」

「さっきの奴みてぇなひょろ男なんじゃねーの?」

「はははッ(笑)それならぶっ潰してやろーぜ!」





男たちが好き勝手に聖をバカにして、腕を回したりしている。


奈々は、大きな声で名前を呼んだ。





「聖―――!!!」





すると、暗闇の方から走ってくる音が聞こえ、奈々の傍の街灯の光に、その姿が映し出された。





「―――奈々!やっと見つけた…」





息を切らしながら走ってきた聖の姿を見て男たちは…




いッかッつッ…!!!(厳つい)



金髪にサングラスにB系の服装の長身男を見て、予想外の人物に思わずたじろぐ。






「やべぇなぁ…」

「予想外だぜ…」





奈々の姿を見て安心した聖だったが、奈々の手を掴んでいるものを見て、グリッとそちらへ顔を回し、その男に近寄る。




「…てめーらは奈々の手ぇ掴んでなにやってんだコラ…」

「やッッッ…えッッ…と…」

「にッ…逃げんぞッ!!!」


「あぁ?待てやコラ…」





聖がサングラスを外す。


その素顔を見て、1人が悲鳴のような声をあげる。






「いッ…池谷だッ!!!」

「うぇッ?!マジ?!」

「余計やべぇッて!!!行くぞッ!!!」





ダッ―――――


男たちは、相手が聖とわかった瞬間、奈々の手をパッと離し、血相を変えて逃げ出した。





「…ちッ」

「聖っ!!!」





奈々が聖の正面に立って、聖の服を掴んで、聖を睨みあげる。





「どこ行ってたのよ!バカぁ…」

「俺はどこも行ってねぇ!!お前がどっか行ったんだろ?!」


「!!……そっか…」





そーだった、とばかりに反省して下を向く奈々。


聖は、小さく息をついて、ふっと笑う。





「…バーカ」





そう言って、聖が奈々の頭を自分の胸に抱き寄せた。


< 166 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop