おんりー☆らう゛


――――ドーン!!!


――――パチパチパチ!!!



最後の大きな花火で、花火大会が終わり、辺りは人々の拍手に包まれる。



帰って行く人々は口々に感想を言いながら、奈々と聖の前を歩いていく。


空を見上げて、まださきほどの余韻に浸っていた2人のうち、聖が先に口を開いた。






「…終わったなぁ」

「そーだね…なんか切ないかも…」





花火が終わったあとの静けさと、儚さのようなモノを感じて、奈々は少し寂しそうに笑った。


そんな奈々の表情を見て、聖も小さく笑い、声をかける。






「俺らも帰るか?」

「ん…もーちょっとこーしてたい」





そう言って、奈々が聖の肩にコテンッと持たれかかる。



聖は優しく笑って、奈々の頭に手を置いて、ぽんぽんっと優しく叩く。





「…甘えん坊」

「そーですよー」





ふっ…と笑って、聖は奈々の耳元に顔を近づける。



そして、唇が奈々の耳に触れるか触れないかのところで、そうっと囁く。






「…ちゅーしてほしい?」





その囁きに、くすぐったさと恥ずかしさを覚え、ビクッと体を硬直させて顔を赤らめる奈々。


バッとすぐ傍の聖の表情を見ると、目を細め、悪戯っぽい顔で笑っている。

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