おんりー☆らう゛



一方、奈々は屋台の道を引き返して歩いていた。


花火も終わったため、片付けかけている屋台も多い。



帰る人で溢れているため、なるべく人ごみを避けて歩いていた。



バカッ…もぉ…聖なんか…





「おぅ!お嬢ちゃんwどーしたんだぃ?!」





声をかけられて、横を向くと、先ほどのたこ焼き屋のおじさんが、ニカッと笑っていた。





「おじさん…」

「なんだよ〜たこ焼きまた買いに来てくれたのか?!」

「いえ…えっと…お金なくて」





奈々が苦笑いすると、たこ焼きセットを掃除しながら、おじさんは不思議そうに首を傾げた。





「え?さっき…」

「あれ、彼氏のお金なんです」

「そーだったのかぁ!あ〜ぁ…お嬢ちゃん彼氏いたのかぁ〜。おじさん狙ってたのになぁ」





そう言って、ヘラヘラ笑うおじさん。


その笑顔からは、悪気も下心もなにも見えなくて、思わず奈々も笑顔になれた。





「お嬢ちゃん可愛いんだから、変な人に掴まるんじゃねーぞ?…俺みたいな奴にw」





そう言って、悪戯っぽく笑うおじさんに、少し元気をもらい、笑顔でおじさんと別れた。



「彼氏と仲良くなぁ!」と最後に言われ、「はーい」と言ってしまったが…




彼氏とねぇ…。

今喧嘩したばっかですよぉ…





そう思いながら苦笑いして、奈々は閉まりかけてきた屋台を見つめながら歩いた…。


すると、見覚えのある3人組が…





「あぁー!!!」





奈々の声を聞いて、その3人組も振り返って、目をむいた。



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