おんりー☆らう゛
「―――ってことなの!」
奈々は、さっきまでの出来事を真美に話していた。
話を聞いていて、真美はありえない、と首を振る。
「へぇ―…そんなことがあったんだぁ。あの人、たぶん女子と喋った事ないよ…それに自分のこと話すなんて…ありえない!」
「うん!だからなんか…聖が自分のこと話してくれたことが嬉しくてさ♪」
本当に嬉しそうにしている奈々を見て、真美はふっ…と力を抜いて笑った。
「奈々、優しいからね。あいつも嬉しかったんじゃない?」
「んーそうかな?……てゆーか、聖さ…ほんとはいい奴なのに、いろんな人に見放されて…そんなの絶対おかしいよ!」
本気の顔で話す奈々を見て、真美が何かを感じとる。
「ねぇ…奈々。もしかしてさぁ…」
「何?」
奈々は、きょとん、とした顔で首を傾げた。
「あいつのこと…好き?」
真美が奈々の顔を覗き込んで聞く。
すると奈々は急に顔を赤らめた。
「え?!///そ…そんなわけないじゃん!!!」
「動揺してるー!絶対そうだー!!!」
「ええー!///」
「顔・・・赤いよ(笑)」
奈々は焦って自分の顔を押さえた。
ええっ!?
あたっ…あたしがあいつのこと…好きっ!!?
そりゃあ…なんかほっとけないし気になるけど…
え、これってそーゆー感情なのっ?///
1人でテンパっている奈々を見て、クスッと笑う真美。
「まぁ…奈々の話聞いてると…そんなに悪い人じゃなさそうだしね!応援するよ♪」
「へッ?!う…うん…」
じゃーね!と、明るく笑って帰っていく真美に、奈々も笑顔で手を振る。
真美と別れてから、奈々は1人でずっと考えていた。
―――あたし…聖のことが好きなのかなあ…