おんりー☆らう゛



はぁッ…はぁッ…

どこだぁ〜?




聖は、走って公園辺りまでたどり着いていた。


息を切らして、膝に手を乗せて肩を上下させていると…







「やーらぁー!!!」

「待ってろって!!!」





聞き覚えのある女の声と、同じ所から聞こえる男の声。


!!!

あっちかぁッ…




再び、聖が走り出し、やっと4人の姿が見えてくる。







「はぁッ…はぁッ…奈々ぁ!」

「うッ…」





こちらも聞き覚えのある男の声が聞こえて、ガバッと振り返ると、息を切らして立っている聖が。


顔をひきつらせる奈々とは裏腹に、男たちは力を抜いた。







「池谷ッ…」

「やっと来た…」

「お前ら…悪かったなぁ」






聖の口から、予想外な言葉をかけられで、ビックリして首を横に振る男たち。





「いえッ…大丈夫っすよ!」





池谷 聖は、血も涙もないただの怖い不良だと思っていた男たちだったが、この時、その考えは改善された。


彼女思い、というか彼女ができて、昔とは変わったんだな、と思う男たち。






「ありがとな。じゃーこいつはもらうわ」





男は聖に奈々を受け渡した。


奈々は黙って下を向いている。



男たちがペコッと頭を下げて去って行くのを、聖は片手を上げながら見送った。
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