おんりー☆らう゛
「逆ナンして?」
「逆ナンじゃないよ!」
またムキになって言い返す奈々。
逆ナンじゃねぇって…
自分から男誘っといてよ。
「…逆ナンじゃん。んで…男連れまわして自分は酒飲んで彼氏の愚痴っすか。」
「なッ…」
聖の言い方に、ムッとする奈々。
聖は、そんなことお構い無しに、腰に手を当てながら、クルッと奈々から背を向けて空を見上げる。
「いいよなぁー。お前みたいな可愛い女はすぐに男ついてくっから」
「…あの人達の悪口言わないでッ!」
聖は、ゆっくり振り返って、また冷たい視線を奈々へ送る。
「別にあいつらの悪口なんて言ってねぇ。そー言ってるだけだろ?」
「すぐ男ついてくるって…」
「今までもそーじゃん」
「今までのは違うでしょッ?!それに…あの人達は友達だもん!!!」
両手を握りしめて、訴えるように身を乗り出す奈々。
聖は、露骨に眉間にシワを寄せて、奈々の顔を覗き込む。
「友達?今日会ったばっかで?ただ愚痴聞かせただけで?」
「―――ッッッ!!!もぉッ!こーきのわからずやッ!!!」
ついに、なにかが切れたように声を荒げる奈々。
聖は目を伏せながら、「へいへい」と首を縦に振る。
「…わからずやで結構」
「あ゛ー!!!怒ったらクラクラしてきた!!」
少し飲んだだけだが、酒に弱い体質だった奈々は、アルコールで頭がクラクラし、頭を抱えた。
「つーかお前…どんなけ飲んだんだよ」
「―――!!!こーきには関係ないでしょッ!」
酒の量を知らない聖は、奈々の様子を見て確かめるように問うが、奈々のイライラは収まらない。
ついに聖の中でも、なにかが切れた。