おんりー☆らう゛
美奈に言われ、聖の心の底に閉まってあったもう一つの気持ちが出てくる。
今度は、少し罰が悪そうな顔で、ボソボソと言い返す聖。
「…そりゃー…浮気とまではいってなかったかもしんねぇけどよぉ…。でも!酒飲んで、俺の愚痴をその日会った男に言ってたんだぜ!?そんで、あたしのこと心配してないとか言いだしやがって…」
顔を背ける聖。
美奈は、はあ。と小さく息をついて、そんな聖を見つめる。
「…うん。今回は奈々が考えなしだったかもね。奈々にちゃんと言うよ。でも…どこにいるかわかんないんじゃ…」
「学校来てっかなぁ?」
隣で、頭の後ろで手を組んで歩きながら裕毅がボソッと言った。
それを聞いて、美奈の顔がパッと明るくなる。
「あぁ!来てるかも!奈々は学校好きだし!」
「じゃー行くか。」
裕毅も、やれやれ、と再び学校へ向けて歩き出す。
黙って立ち止まっている聖を、美奈が振り返る。
「そんな浮かない顔してないで。行くよ?」
「…あぁ」