おんりー☆らう゛
夕焼けで、オレンジ色に染まった公園のベンチに、2人で腰掛けた。
「………」
「聖?どうしたの?さっきからなんか変だよ?」
聖はチラッと奈々を見てから、ベンチに大きくもたれかった。
「いや…。俺の知らないお前がいっぱいいるんだなーと思って…」
「聖…」
「なんだろなー(笑)嫉妬してんのかな?俺!」
そう言って、「へへっ」と笑って、空を見上げる聖。
奈々は、聖を横目で見て少し笑い、同じように、空を見上げる。
「…あたしには聖だけだよ。」
「へッ?!」
奈々の突然の言葉に、ガバッと体を起こす聖。
奈々も聖を見て、ふわっと微笑む。
「あたし、今は聖しか見てないよ!聖しか好きじゃないし…」
「……ちくしょー…可愛いなぁてめーはッ!!!」
そう言って、奈々の頭をぐしゃぐしゃ撫でる聖。
奈々はちょっと照れくさそうに俯いた。
「俺も…お前だけが大好きだ…」
聖の手が奈々の頬に触れる。
奈々はゆっくり瞳を閉じた…。
初めてのキス。
その後、暗くなるまでずっと、手を握りながら寄り沿っていた…
この時間が…とても幸せな時間だった。