おんりー☆らう゛
――――ガンッ!!!
今度は、パイプで壁を殴って立ち去ろうとする男。
慌てて先生が追おうとする。
「コ…コラ!どこいくんだ!!」
「うっせぇっつってんだよ!!!」
―――バキッ!!!
今度は、男が男の先生の頬を素手で殴った。
「―――っ…」
先生は痛みで膝をつき、周りの先生がそれを囲む。
男は舌打ちをして、その場から離れていく。
なんなのあいつ…
さっきから黙って見てれば…
奈々が拳を握って、その男の方へと歩いていく。
慌てて龍雅がその腕を掴む。
「おいっ!」
「奈々っ!危ないよ!!!」
真美も声をかけるが、奈々は龍雅の腕を振り払う。
「あんなのほっとけないよ!!!」
そう言って、駆け出す奈々。
純粋で正義感がある奈々は、学校の公共物を壊した上、罪もない先生を殴った男を、ほっとけなかった。
それ以上に、面倒見がいいためか、あの男をほっとくわけにはいかないと、奈々は思っていた。